どの業界でも専門的な言葉はあると思います。葬儀業界でも普段日常では使わない、多くの言葉があります。各宗教の言葉、へりくだった言葉や敬語、挨拶やナレーションで使う言葉、何年も葬儀業界にいる方が読めなかったり意味を知らないっていう事もよくあります。今日はそんな「読みづらい漢字」「丁寧すぎて普段使わない言葉」をいくつか紹介します。実は私の勉強や復讐も兼ねていますが(^^;)
葬儀での司会者
私は担当する葬儀で、ほとんどナレーションや司会はしません。女性のスタッフに任せきりです。出来ないわけではないのですが、うまくはありません。(身勝手な持論として仕事はそれぞれが得意な部分を精一杯担当するのが一番かなと)
しかし、人件費もぎりぎりまで削らないとならない小規模葬や、直葬など「もう現場のスタッフ私しかいない!」なんて時は、私も司会をやります。まあ司会者なんて大して話す所はないんですが、それでも失敗を恐れながら凛々しくみえるよう頑張るんです。
もう簡単でも難しくても全ての漢字に「よみかた」を振って、「息継ぎ」する所にに斜線をいれて、あきらかに「メモ必要ないだろっ!」って感じの短い文章でも台本を書き綴ります。たま~にしかやらないので、一向に上手になりません
そして多くの式の終盤では「弔電拝読」があります。私の脳みそでは何回覚えても読み方を忘れてしまう「読めない漢字」が存在します。
【弔電】でよく使われる漢字の読みと意味
- [弔電]-ちょうでん-弔慰を伝える電報
- [訃報]-ふほう-死亡の知らせ
- [悲報]-ひほう-悲しい知らせ
- [逝去]-せいきょ-「死ぬ」の敬語
- [悼む]-いたむ-死を嘆き悲しむ
- [哀悼]-あいとう-死を悲しむ
- [偲ぶ]-しのぶ-過去や遠くの人をなつかしく思う
- [衷心]-ちゅうしん-心の底
- [拝察]-はいさつ-推察・推測のへりくだった言い方
- [謹んで]-つつしんで-礼儀正しくかしこまって
- [慰め]-なぐさめ-悲しみをまぎらわせ元気づける
- [嘆き]-なげき-深く悲しむ
- [愕然]-がくぜん-とても驚く。衝撃を感じる
- [痛惜]-つうせき-とても惜しい。失いたくない
- [惜別]-せきべつ-別れることがさみしい
- [お悔やみ]-おくやみ-死を悲しみ残念がること
- [在りし日]-ありしひ-生きていた時
- [ご尊父]-ごそんぷ-相手の父
- [ご母堂]-ごぼどう-相手の母
- [ご岳父]-ごがくふ-相手の妻(夫)の父
- [ご岳母]-ごがくぼ-相手の妻(夫)の母
- [ご夫君]-ごふくん-相手の夫
- [ご令室]-ごれいしつ-相手の妻
- [ご令息]-ごれいそく-相手の息子
- [ご令嬢]-ごれいじょう-相手の娘
お客様との打ち合わせで商品の漢字が読めない!
これ、すごく恥ずかしいです。
葬儀の打ち合わせの中では、会葬礼状の原稿を読み上げたり、香典返しの挨拶状の雛形を説明もします。
一度は調べて知っているはずの漢字を、すっかり忘れてしまっている。いつもと違うギフト屋さんの作った礼状だったりすると、見慣れぬ漢字が出てくる。そんな時は、おどおどしながら誤魔化してしまいます。見た感じで意味は解るんですけどね。
葬儀や香典返しの【礼状】でよく使われる漢字の読みと意味
- [拘らず]-かかわらず-それなのに。○○であるのに。
- [且つ]-かつ-そのうえ。それに加えて。
- [御事]-おこと-あなた
- [ご鄭重]-ごていちょう-心がこもって礼儀正しい
- [ご厚志]-ごこうし-親切な行為。深い思いやり
- [ご厚誼]-ごこうぎ-情愛がこもった親しい付き合い
- [ご弔慰]-ごちょうい-死者を弔い遺族を慰める
- [ご厚情]-ごこうじょう-思いやりのある心。心遣い。
- [ご芳情]-ごほうじょう-ご厚情の敬語
- [ご懇情]-ごこんじょう-真心のこもった心遣い
- [ご懇篤]-ごこんとく-心がこもっているさま
- [態々]-わざわざ-労力を惜しまずに。そのためだけに
- [偏に]-ひとえに-唯一。ただただ。もっぱら
- [茲に]-ここに-この時。この場所で。
- [拝趨]-はいすう-こちらから出向くこと
- [拝眉]-はいび-会うことのへりくだった言い方
- [乍ら]-ながら-○○ではございますが
- [過日]-かじつ-先日
- [忌明け]-きあけ-四十九日を迎えること
- [偲び草]-しのびぐさ-「志」の意。神道やキリスト教で使う
- [以って]-もって-手段・方法
作るときにテンプレがあるため、読んだりしない
普段使わないので、いざ目にすると読みにくい漢字って結構ありますね。葬儀の会葬礼状って頂いても読まずに仕舞ってしまう事も多いですし。
「弔電」を送る時も「礼状」を用意する時も、今やどんなものでもテンプレートがあるんで、読めなくても簡単に作れちゃうんですよね。
葬儀業界には、まだまだ仏教用語とか難しい言葉が沢山ありますが、私も葬儀に携わる者として、せめて取り扱う商品くらいは出来るように日々勉強と復習を…(ry