葬斂の奏者-亡失に顔を逸らす諸人へ

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現役葬祭プランナーが、葬儀の常識・マナー・風習・疑問を詳しく解説するニャ

葬儀社を一切通さずに全部自分でやる直葬!【セルフ葬】の魅力と費用をシュミュレートしてみた

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家族葬・直葬などが増え、葬儀の規模は小さくなっています。以前にも述べましたが、これは宗教心の低下や高年齢社会、近隣住民との関係の薄れなどが原因となっていると思います

【ブログ内 参照記事】
近年増え続ける【直葬】本当にお金がない人以外はやるべきでない? 

妄想好きの筆者は、このまま小規模葬が加速すると最終的に人を呼ばない葬儀は、葬儀社に依頼せず全て自分で執り行う「セルフ葬」となるのではと考えます

セルフ葬とは

現在、首都圏では基本的に人が亡くなると「葬儀社」を通して通夜・葬儀・火葬を行いますが、これをすべて自分(遺族)でやってしまおうということです

2番目にお金のかからない葬儀形態

葬儀(火葬)で現在一番お金のかからないのは、「生活保護の受給者」の直葬です。(実際には、市区町村など自治体が葬儀社に費用を支払いますが…)遺族の負担は0円です。棺・火葬料・搬送料などを遺族は一切負担する必要がありません。

2番目にお金が掛からないのが「セルフ葬」です。費用は自己負担となりますが、棺の手配から諸手続きまで、葬儀社を通さずに行い葬祭費を最小限に抑えます

実際にセルフ葬(直葬)をシュミレートしてみた

セルフ葬の事前準備

縁起でもない話かもしれませんが、身近な人の命が長くないと解っていて「セルフ葬」で送ろうとする場合、少しでも安くするには準備が必要です

・住民登録地

各自治体には公営の火葬場があります。東京23区内では、「瑞江斎場」と「臨海斎場」の2つです(23区内の他の火葬場は民間です)。基本的に亡くなった方の住民登録地のあるところの火葬場は、組合員価格となりますので、火葬料の確認をしましょう。市町村によっては、組合員は火葬料0円、待合室0円などの所も多くあります。ちなみに、先にあげた「瑞江斎場」の火葬料は東京都民で58,300円、「臨海斎場」は港区・品川区・大田区・目黒区・世田谷区民で34,500円です。東京都内は高いのです。少しでも費用を抑えたいのであれば、事前に火葬料0円の市町村に住民票を移します

・周囲の理解

「セルフ葬」は見た目や風習・宗教儀式など、葬儀の常識を無視して行うことになります。葬儀後トラブルになりやすいのは、親族と寺院です。付き合いのある親族がいるのであれば、どうやって理解を得られるか?説得の方法を考えておきましょう。寺院に関しては、墓地の問題です。墓地が寺院の管理である場合、「セルフ葬」は難しいでしょう。以前も述べましたが、お寺さんには供養に対する作法があります。それをすっ飛ばして後日遺骨だけを持って行っても、住職はへそを曲げてしまいます。最悪な場合納骨を拒否されることもあるでしょう。墓地が霊園であれば問題ありません。

臨終から遺体搬送

病院や施設で臨終を迎えた時、数時間から最大1日の間には「退院してください!」と告げられます。基本的には臨終後すぐに葬儀社や搬送業者に依頼し、故人を自宅か安置施設へ連れて行かなければいけません。

これを自分でやる場合は、自家用車で搬送します。勘違いしている人も多くいますが、遺体搬送は業者の寝台車や霊柩車でなくてはならないという決まりはありません。自家用車で搬送をしても法的には問題ありません。ただし病院の先生から必ず「死亡診断書」を受け取り、故人を搬送する車に携行してください。搬送途中に警察などの確認があった場合、「死亡診断書」がないと事件の可能性を疑われ非常に面倒なことになります。また、公道を走るわけですから、周囲の人から故人が直接見えないようにするなどの配慮も必要です

自宅へ安置し火葬場を予約する

自宅へ到着したら、ひとまず故人を布団へ安置します。ご遺体を少しでも良い状態で保つため保冷剤を体に当てます。(葬儀社はドライアイスを使います)部屋は出来る限り涼しくしましょう。そのあと住民登録のある自治体の火葬場の予約をします。もちろん葬儀社が予約した方がスムーズですが、一般の人でも予約可能です。無くなってから24時間は法的に火葬できませんので注意しましょう。(基本的にキャンセルはできません)

火葬場への確認事項

① 何時何分に到着すれば良いのか?
② 火葬場のどこに車を付けるのか?
③ 支払いは市役所か?それとも現地で支払うのか?
④ 骨容器(骨壺)は持ち込みか?現地で販売しているか?
このあたりを予約と合わせて確認しておきましょう

故人を棺に納める(納棺)

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今や柩もインターネットで購入できます。骨容器(骨壺)も必要であれば一緒に購入しましょう。しかし、発注から納品まで2~3日はかかるでしょう。この間に遺体の腐敗は進んでしまいますので、あまり気分がいいものではないですが事前に購入できるのであれば準備しておきましょう。

柩に布団を敷き故人を納めます。火葬まで日にちがあるのであれば、保冷剤や消臭剤を合わせて入れます

役所への届け出

病院の先生からもらった「死亡診断書」は、役所へ提出する「死亡届」となっています。(今後の手続きに必要な場合がありますので、何枚かコピーしておきます)

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「死亡届」に必要事項を記入したら、役所へ提出します。印鑑も必要となりますので、合わせて持参しましょう。「死亡届」は夜間・休日でも受け付けていますので、火葬日前日までに手続きしましょう。届け出を出すと役所から「火葬許可証」が発行されますので、葬儀当日まで大切に保管してください(自治体によってはこの時に火葬料金の支払いをする場合があります)

当日の搬送車の準備

火葬場へはご遺体を棺に納めた状態でお連れしなければいけません。体だけでしたら、セダンタイプの車でも問題ないですが、棺は立てることも曲げる事も出来ませんので、180cmの棺が入る車が必要です。ワゴンタイプの車でシートを倒して積むか、荷台のある軽トラックや貨物用車両を用意しましょう。レンタカーを使う場合は、契約事項に遺体の搬送を禁止するような文面がないか確認が必要です

いざ、火葬場へ

用意した車に棺を積み込み、火葬場へ向かいます。もちろん時間に余裕をもって出発しましょう。このときも、霊柩車ではないので周りの人や車への配慮が必要です。

到着したら、職員が入口で出迎えてくれますので、職員と一緒に棺を台車に載せます。そのあと事務所へ行き「火葬許可証」を提出し、火葬料金を支払います。骨容器を持参している場合は、事務所で所定の場所を確認し持っていきます。

このあとは火葬場職員の案内のもと、故人とお別れをして出棺。待合室やロビーで収骨を待ちます。1~2時間ほどで収骨となり「埋葬許可証」が発行されます

葬儀に掛った費用

火葬料金 組合員価格 ¥ 0
桐 6尺(送料込) ¥24,200
骨容器 白瀬戸 7寸 ¥ 2,700
レンタカー 軽トラック 6時間 ¥ 2,500
保冷剤 家庭用 ¥ 3,380
合 計   ¥32,780
棺 布棺 ホワイト 直葬 家族葬 適
HITUGI.ねっと
販売価格 ¥20,000

 

自分でやる「セルフ葬」のまとめ

「セルフ葬」はまだまだ普及していませんが、不可能ではありません。費用を最小に抑えなければならないというのであれば、全て自分でやってしまいましょう。資格は普通運転免許だけあれば大丈夫です。ただし、周囲の目が気になる方や、死に対して「供養」とか「成仏」などの宗教的認識を持っている方にはお勧めできません。「死んだあとは無になる」という考え方で、一緒に送る親族もいない、葬儀屋にぼったくられるのも嫌だという方は検討してみてはいかがでしょう?