葬斂の奏者-亡失に顔を逸らす諸人へ

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現役葬祭プランナーが、葬儀の常識・マナー・風習・疑問を詳しく解説するニャ

三笠宮さま薨去。【葬儀費用2億8900万円】の報道ってどうなの?

豊島岡墓地

27日に三笠宮さまが薨去されました。11/4に斂葬の儀(皇族の葬儀)が東京・文京区の豊島岡墓地にて執り行われるとの事です

皇族の葬儀費用

こんな記事がありましたのでご紹介します

 10月27日に薨去(こうきょ)された三笠宮さまの葬儀や墓所の建設に必要な費用は約2億8900万円との見込みを宮内庁がまとめ、うち約2億900万円を平成28年度の国の予備費から支出することが1日の閣議で決まった。
宮内庁によると、残りの費用は来年度の予算要求に盛り込むなどしてまかなうという。
 費用の内訳は本葬にあたる「斂葬(れんそう)の儀」の葬場関係に約1億3400万円、墓所の建設に約1億2400万円などで、平成26年6月に薨去された次男、桂宮さまの時より計約2700万円増える見込み。宮内庁は主な要因として労務単価の上昇のほか、参列者に儀式が見えやすいようにするモニターの設置費用などを挙げた。
葬儀は三笠宮妃百合子さまを喪主とし、私的行事として神道形式で営まれるが、「国家的な弔意の対象」(宮内庁)を理由に、国費が充てられる。

産経新聞『三笠宮さま薨去 葬儀費用2億8900万円』
http://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/161101/lif16110109110002-n1.html

費用はいくらでもよいのでは?

葬儀に対する費用としては1億3400万円とのことです。金額をみた時、一瞬「高いな~」とも感じましたが、大きな会社の会長さんの社葬では4~5000万円くらいかかる事もよくあります。皇族ですからやはりこのくらい掛るのでしょう。2億8900万を国民一人当たりで割ると約2円になりますから、逆に安いのかもしれません。

皇族には全く詳しくありませんが、生まれた時から特別扱いされて、色々と制約がある中で生活していかなくてはならないでしょう。利己主義な政治家や経済界の方々とは違い、損得勘定無しで、人生のすべてを国の為を想って貢献されてきた方だと思います。葬儀は盛大にやるべきでしょうし、当然一般の葬儀ではありえない警備や公人の接待などにも、かなりお金は掛るでしょう。あまり「高い」とか「安い」とかいう野暮ったい議論にはならないで欲しいです

 

衷心より御霊安らかに鎮まり給うことをお祈り申し上げます。

 

死亡の尊敬語について

薨去(こうきょ)ってあまり聞きなれない言葉ですね。皇族の方に対する尊敬語になります。位によって使い分けがあります

崩御(ほうぎょ)

天皇・皇后・皇太后・太皇太后の死

薨御(こうぎょ)

皇太子の死

薨去(こうきょ)

皇太子妃や親王・親王妃や内親王、或いは、位階が三位(正三位・従三位)以上の者の死

 天皇皇后両陛下は葬儀に出席できない?

Q、報道では『古くからの慣習により天皇陛下は葬儀に出席しない』などと表記していますがなぜでしょう?

A、皇室神道の決まりにより参加できません。天皇は天照大神の子孫であり、昔の考えでは「天皇=神」に近い考えがあった。そして、神道では死を「穢れ」と考えており神様に近づけてはいけないとされています。そのため、「死」と向かい合うという儀式、葬儀に天皇は出席できません。たとえ、総理大臣や外国の大統領、ローマ法王が亡くなった場合でも同じです。例外として、先代の天皇や皇后など実の親の葬儀には出席できるようです