最近はごく近しい方だけで送る家族葬が増え、気兼ねなく故人の供養に集中できることが多くなりました。しかし、久しぶりに会う親族だからこそ常識や気遣い必要です。認識の違いから揉めてしまわぬよう注意しましょう
焼香の順番は深刻なトラブルになるケースが多い
葬儀の中で焼香の順番(順位)を間違えると親戚に「私の方が先でしょう?」とか「皆の前で私に恥じをかかせた」、「なぜ本家の者が後回しなんだ!」と、終わった後や現場で叱責を受けたり、酷い時にはその場で本人が帰ってしまうこともあります。
そして葬儀での揉め事を機に、今後の親戚同士の付き合いを断られる様なケースもあります
焼香順位の決め方
お焼香の順位は故人や喪主との付き合いの度合いや年齢、地域の風習・慣習も影響します。これが正しいと言い切れない事ですので頭を悩ますところですが、出来る限り事前に決めておきましょう。当日式場で着席してからでは時間がなかったり、座りなおしてもらうのも手間です。また「私は後ろでいいわ」と遠慮する方が続出したりなど、どうにもならなくなってしまう事があります。
喪主が中心となって順番を決めていきますが、これは「家」と「家」の付き合いなので「親戚の年長者」や「本家の当主」など、親族の中で影響力のある方と必ず相談しましょう(後で、「○○さんと一緒に決めた」と言い訳ができます)。葬儀社は一般的な順位をアドバイスすることはありますが、トラブルになった時に責任が持てないので、あくまで決定するのは喪主(遺族)となります
一般的な親族焼香の順番
例)父が死亡し、その長男が喪主の場合
① 喪主(長男)
② 故人の妻(母)
③ 喪主の妻、子
④ 喪主の兄弟、姉妹とその子(家族単位、一般的には年齢順)
⑤ 故人の兄弟姉妹(伯父、伯母、叔父、叔母)
⑥ 故人の妻の兄弟姉妹(伯父、伯母、叔父、叔母)
⑦ 喪主の妻の親
⑧ 喪主の妻の兄弟、姉妹
⑨ 喪主の従兄弟,従姉妹(父方から母方)
※備考と注意点
- 基本的に夫婦は一緒に(セットで)焼香へ進みます
- 故人の妻(母)が喪主をする場合は、故人の妻(母)が先になります
- 喪主の次男・三男(故人の孫)の前に、故人の兄弟や本家の当主が先になることがあります
- 喪主の妻は、実際には血がつながっていないため、喪主の子が先になることがあります
- 「葬儀委員長」をたてる場合は、葬儀委員長が一番最初になります
- 内縁の関係がある場合、周りの親族に認められている(周知の事実)関係なのであれば籍が入っているものと同様に順番を考えることがあります。もちろん喪主と親戚に相談し判断は任せましょう。認められていなければ、一般焼香、または親族の一番最後とするのがよいでしょう
- 席次・生花の並び順も基本は同じ
次の関係には特に配慮と事前確認を!(揉めることが多い関係)
- 喪主の妻(または内縁の妻) ⇔ 故人の長女
- 長女(他家へ嫁いだ姉) ⇔ 二男(弟)
- 故人の孫 ⇔ 故人の兄弟
- 喪主夫妻や故人と同居していた親戚
焼香の順番(順位)のまとめ
「親しき仲にも・・・」というように、親戚の間柄でも様々な配慮が必要です。厳粛な葬儀の中での揉め事は、周りから見てとても心苦しいものです。遺族控室で喪主の兄弟姉妹が「仏様(故人)の前で喧嘩なんてしないで!」と声を張り上げて、両者を取り成している様な場面もよく目にします。なんでも喪主一人で決めてしまわぬよう、家族や周りの親戚でサポートしましょう